肛門外科 Proctology
恥ずかしがらずに、気軽に受診を
当院では、痔核(内外痔核)・痔ろう(単純・複雑痔ろう)・直腸脱などの良性疾患から肛門管癌などの悪性疾患まで、あらゆる肛門疾患の診療を行っております。平成29年度から肛門外来を開設しましたので、専門医が診療させて頂きます。
肛門外科外来は、消化器センターの一翼として、消化管の出口部分の疾患を扱います。国民病である痔疾患は、「痔核」「痔瘻」「裂肛」など、何れも不適切な生活を繰り返していると生じる生活習慣病です。
気になれば、早めに受診してください。正しい診断を付け、正しい生活習慣を身につけられるようご指導いたします。
当科では、生活指導と薬物療法を基本として保存的に行い、外科的処置は最終手段でしかありません。者様の立場で適切な治療法の選択に応じておりますので、気軽にご相談ください。
主な疾患と治療法
「痔核」(いぼ痔)
息まずに排便できるようにすること。手術は、侵襲が少なく、再発の少ない、痔核切除に注射療法を併用します。
「痔瘻」(あな痔)
下痢をしないよう気をつけること。手術は、病変部分により、肛門括約筋を出来るだけ温存した術式を行います。
「裂肛」(切れ痔)
便秘をしないようにして、慢性化を防ぎます。狭くなれば、必要最小限に拡げます。
「便秘」
食生活、生活習慣、排便習慣を見直し、自然な排便を目指します。
「便漏れ」
骨盤の底の筋肉を鍛え、便の有形化を図って、漏れを防ぎます。
「直腸脱」
直ぐに戻す習慣を付け、排便持の息みを防ぎます。苦痛を伴うなら、外科で手術を行います。
Altemeier 手術
当院の特色として直腸脱に対して Altemeier 手術を行っています。この手術は経肛門的に脱出する直腸・S状結腸を切除して口側腸管と肛門を吻合する方法で、切除する腸管の長さは患者さんによって異なりますが、10-50cmくらいです。吻合する前に緩んだ肛門の筋肉を縫い縮める括約筋形成術を行うことによって、再発防止と機能回復もある程度可能です。
肛門から行う手術で痛みも少なく、全身麻酔の必要はなく下半身麻酔で可能で、リスクの高い高齢者にも安全に行えます。
当院では年間10例前後にこの手術を行っていますが、再発も少なく患者さんの満足度は高い治療法です。