排便の悩みから解放され自分らしい生活を取り戻していただけるよう、一般診療ではほとんど受ける機会のない排便機能に特化した検査や治療を提供することができる専門外来を立ち上げました。
慢性便秘症や便失禁で悩んでいる人の中には、外食や旅行を控えたり自分に自信が持てなくなるなど、生活の質に影響が出ている方もいます。恥ずかしさや他人に知られることへの抵抗感から、誰にも相談できずに一人で悩んでいることも少なくありません。
当院の排便機能外来は、3ヶ月以上継続して排便機能障害で悩んでおられる人を対象とした、完全予約制の専門外来です。急に便秘になった方や、急に下痢になって便失禁をきたした方は、他の消化器疾患が原因である可能性が高いため、一般外来を受診してください。
便秘とは、「本来体外に出すべき糞便を十分量かつ快適に排便できない状態」と定義されています。つまり、毎日排便がなくても十分量かつ快便に出せていれば便秘ではありませんし、毎日排便があってもすっきり出ていなければ便秘であると言えます。
便失禁とは、「無意識または自分の意志に反して肛門から便がもれる症状」と定義されています。便意を感じてもトイレまで我慢できずに漏れる切迫性便失禁と、便意を伴わず気づかないうちに漏れる漏出性便失禁とがあります。
慢性便秘症の原因として、生活習慣や心理状態の影響、加齢、他の疾患の影響、他の疾患の治療で使用している薬の影響、過去の手術の影響、下剤の使いすぎで効かなくなる、間違った排便姿勢、間違ったいきみ方、などが挙げられます。その結果、便が腸の中を通過する時間が長くなってしまったり、便が直腸まで来ているのにうまく排出できなかったりして、便秘になります。
便失禁の原因として、生活習慣や心理状態の影響、加齢、出産歴、他の疾患の影響、他の疾患で使用している薬の影響、過去の手術の影響、などが挙げられます。その結果、肛門を締める筋肉の機能低下、直腸肛門の感覚異常、直腸の容量の減少などが複合的に関与して、便失禁をきたします。